石化幻想
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石になりたいと思っていた頃があった。
深い土の中で静かに眠る化石のように。

石になりたいと思っていた頃があった。
結晶世界の谷に咲き誇る石の花のように。

石になりたいと思っていた頃があった。
遠いどこかの惑星に落下した青い隕石のように。






1987年冬、大阪で今回と同じ『石化幻想』というタイトルの写真展をやったことがある。
その頃の僕は、仕事もお金もなく、大切な友人を亡くし、
もう誰にも知られず、地中深く眠る鉱物のように静かに生きたいと願っていた。

その時に、写真展をやらないかと声をかけてくれた人がいた。
暗室を借り、いままで撮りためたトライXを現像して、十数枚のプリントを完成させた。
そして雑居ビルの地下の小さなカフェで2週間、写真展『石化幻想』は行なわれた。
十数枚のプリント、それがその頃の僕のすべてだった。

それから23年が経ち、もちろん僕は23才年をとった。
変わったこともあれば、変わらなかったものもある。
いくつかの大地震や戦争があり、いくつもの惑星探査機が打ち上げられた。
結婚して子供が誕生した。
会社が倒産したり、何人かの友人を病気や事故で失い、父を見送った。

ずっと昔の写真もあれば、最近の写真もある。
今また23年前と同じタイトルで写真展をすることに、
どんな意味があるのか自分でもよくわからない。
でも、とりあえず僕は生き残った。

僕の机の引き出しの中には、ガラクタがたくさん詰まっている。
使い古しの目薬、中学の時にマラソン大会で優勝して貰ったメダル、
なにかから取れたボタン、投函することのなかった手紙。
そして博物館の横を流れる川の上流で採取した小さな化石。

人々が寝静まった夜に、僕は机の引き出しの中の小さなアンモナイトを取り出し、
手のひらにのせてみる。
この中には遠い昔の記憶が詰まっているんだなと思う。

カメラは気持ちを記録する機械ではないけれど、
僕はシャッターを切るたびに、またひとつ悲しい思い出を作っていたのかもしれない。

最後にリチャード・ブローティガンの詩の一節を・・・。
「あなたは、ぼくのことをぼんやりと思い出すだろう。半分現像した写真のように、ね。」





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今年の2月から3ヶ月間、札幌駅アートボックスで地層の作品「a stratum」を
一緒に制作しました、
ユニット・Blakistonの菅原英二が、
個展を行っています^ー^


個展タイトルは「石化幻想」
このタイトルは、23年前に行った個展と同じタイトルだそうです。

数日前から始まったこの個展、

私は一番乗りで♪作品搬入お手伝いとして
行ってきました^ー^

今回の個展で製本した本や、
箱の本、などの作品も置いてありますょ♪



全体を載せてしまったら、楽しみがなくなってしまうので、
ちょろりと一部の写真を。

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この続きは是非、会場で見てみてください♪^ー^


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●開催データ
展覧会名:菅原英二写真展 「石化幻想」
Eiji Sugawara Exhibition
会期:2010年09月16日 ~ 2010年10月05日
時間:平 日 12:00~24:00
日祝日 12:00~21:00
定休日:水曜日
※9月21日(火)は臨時休業
入場料:無料(喫茶店内で展示の為、お飲み物等は各自お買い求め下さい。)
場所:札幌市中央区北1条西23丁目1-1 メゾンドブーケ円山1F
CAFE ESQUISSE(カフェ エスキス)
CAFE ESQUISSE
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by kasumi231art | 2010-09-20 20:01 | イベント
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